手書き文字のあじわい

起こし文はがきは、実はすべてが未完成です。
メッセージを書き込まれて初めて完成します。

「絵手紙」という世界があります。絵と文字が一枚の紙に書かれていて、その組み合わせが独特の世界を作っています。起こし文はがきもその味わいを堪能できるように作ってあります。
考えてみれば、絵手紙という名称ができるずっと以前から、挿絵の入った(手紙文用のスペースを空けた)はがきは商品として存在していたようで、文字と絵の一体感を味わう文化が既にあったように思えます。
比べて西洋の Postcard は、片面は絵柄のための面で、反対面は宛先とメッセージ用のスペースになっているものが殆どです。絵柄面の中にメッセージをデザイン的に書き込んだようなものは、余り見たことがありません。
文字と絵に対する両者それぞれ解釈の違いがあって、非常に興味深いです。

手紙文を書き込む時、どうしても上手く書こうと構えてしまいます。
でも手紙をもらう側になってみれば、本人の直筆で書かれていることが一番嬉しい気がします。筆跡を見ればその人の気持ちもわかります。嬉しい時と悲しい時では書かれた文字だってきっと違うはず。

構えず、素直な気持ちでぜひ一筆。

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