消えていく下町の風景をカタチに残す、一枚のポストカード|起こし文

起こし文 ポストカード 昭和

消えていく下町の風景をカタチに残す、
一枚のポストカード。

起こし文を作り続けて、はや20年。
長いようで短いような、あっという間ですね。
起こし文の中でも、初期から作り続けている作品「街並はがき」
これを作りはじめたのは、下町で生まれ育ったことがきっかけでした。

 

起こし文 昭和 モノクロ

私は生まれも育ちも、東京の下町、根岸。
当時の街は、お店の人とお客さんとの世間話や笑い声で、いつも賑やかでした。人情という言葉がとても似合う空間。そういえば、昔はツケで買うなんてこともありましたね。

技術が発達して便利な時代になっても、そこにいるだけでホッとする居場所が消えつつあるのは、なんだか寂しい気持ちになります。
日々失われていく下町の街並みを、せめてカタチに残していきたい、
そんな思いから、この「街並はがき」は生まれました。

 

起こし文 ポストカード 昭和

「街並はがき」は第一集を制作してから、現在は第三集に加えて、
川越や谷中など、実際にある下町の建物とコラボしたり…
これまでたくさんの作品が生まれてきました。
描かれた街並みは、私が昔からなじんできた風景。
これからも大切にしていきたいですね。
現在は谷中に拠点を置き、制作活動をしています。
谷中は昔ながらの風景が残る、懐かしくてあたたかい町です。

日々、時代は変わり、街も変わる。
一枚のはがきを通して、
カタチに残し、誰かの心に残し、
これからも伝えていきたいです。

起こし文 / ポストカード「街並はがき」

 

コメントを残す